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求むチラシ、その1



不動産業界では「求むチラシ」と呼ばれる広告チラシが有ります。


持ち家の方にはお馴染みでしょう。毎日のように郵便ポストに入ってくる「あなたの不動産を売らせてください」というA4サイズのチラシです。


私が不動産業界に入ってまず最初に教わったことは、この求むチラシの作成、印刷と配布でした。


不動産屋というのは、マイホームを探しに来店されたお客様に不動産を紹介、案内して買ってもらうところだとばかり思っていたので、

まずは売り物を探してそこから買ってくれるお客さんを探す、という発想は青天の霹靂でした。


確かに、不動産を求めて来店するお客さんは多くいるけど、そのお店で気に入った物件の情報が見つからないと次のお店に探しに行ってしまう。


その点、不動産の売却を任せてもらうということは、一定期間ではあるが(不動産を売却する)お客さんを売れるまで拘束することが出来る。


不動産の売買仲介は、成約してはじめて手数料をいただける成功報酬型なので、購入希望のお客さんを複数追いかけるより、売却希望のお客さんから売却依頼をもらった方が圧倒的に手数料収入になる可能性が高い。


というわけで、この業界に入って最初の3ヶ月は来る日も来る日もチラシの作成、印刷、投函、の繰り返しでした。



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