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求むチラシ その3




その後片っ端から先輩達が作った過去の求むチラシに目を通してそれを真似する事にしたけど、当然自分にはそんなお客さんとやり取りした経験がないから、まさに作文を創作しているだけの状態でした。


当時社内では、この手の、架空の購入希望者が不動産を欲しがっている内容を記述した求むチラシの事を「引っ掛けチラシ」などと呼んでました。

この引っ掛けチラシは、その出来栄えによって集客に大きく影響するため、某営業マンが自作のチラシで多くの集客が出来たと噂になると、すかさず社内での盗用の対象にされ、似たようなチラシ(=買いたがっている架空のお客様)が数週間おきに、且つ関東中に出没する不思議な事態が頻繁に起こっていました。


その後Uターンして銀行系の不動産屋に転職しましたが、地域柄なのか会社のカラーの違いなのか、次の銀行系の会社ではそのような架空の内容を盛り込むチラシは誰も作っていませんでした。

コンプライアンスがうるさくなってきた昨今、さすがに露骨な虚偽のチラシは減ってきたようですが、まだまだお客様を不要に煽り、客観的な判断ができる前に囲い込みをしてしまう会社が多いようです。

相談する側も、家庭内の立入った事情や経済状態など、煩雑な作業や説明を伴いがちなので、一度不動産業者に相談するとセカンドオピニオンを受けにくいと言う事情もあり、広く情報を集める事が難しくなります。

不動産の売買は専門的な内容が多く、且つ高額な取引が多いので不動産業者の選定は慎重に行うことをお勧めします。

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